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微小血管吻合による組織移植の将来性について

No.4976 (2019年09月07日発行) P.52

永竿智久 (香川大学医学部形成外科・美容外科教授)

飯田拓也 (東京大学大学院医学系研究科形成外科学分野准教授)

登録日: 2019-09-04

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  • 形成外科医にとって微小血管吻合の技術を応用した組織移植は,がん切除後の身体再建における基本的な手技になっています。この反面で手技はほぼ開発しつくされ,定型的な手技になっている感があります。発展のためにはブレイクスルーが必要だと考えますが,先生がお考えになる方向性についてご教示頂ければ幸いです。東京大学・飯田拓也先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    永竿智久 香川大学医学部形成外科・美容外科教授


    【回答】

    【他分野と協力していくことで,微小血管吻合技術のニーズはさらに高まっていく】

    微小血管吻合技術(マイクロサージャリー)による遊離組織移植は,1970年代にDaniel&TaylorやHariiらにより初めて報告されて以来,皮膚,脂肪,筋肉,骨,神経,腸管など様々な組織の移植に応用され,現在では乳房再建,四肢外傷,頭頸部癌などの再建に幅広く用いられており,皮弁生着率も95%以上と安全性も飛躍的に高まりました。このように現在では普及した組織移植ですが,将来的には新分野への応用が期待できます。

    まず,短期的な観点からは,同種複合組織移植が挙げられます。同種複合組織移植とは,脳死患者から顔面,手,喉頭,腹壁,陰茎といった組織を移植する方法で,従来の再建手術では治療困難だった欠損の治療も可能となります。海外では,手移植などは既に症例の蓄積が進み,一般的な手術法として確立しつつありますが,わが国ではまだ行われていません。法整備や社会的認知の進展が求められるとともに,新たな組織移植の開発が期待されます。

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