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糖尿病性潰瘍

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
今福恵輔 (がん・感染症センター都立駒込病院皮膚科皮膚腫瘍科)
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  • ■疾患メモ

    糖尿病性足病変は「神経障害や血流障害を合併した,糖尿病患者に生じる感染症,潰瘍,深部組織の破壊性病変」と定義される。

    リスクファクターは高齢,男性,長期にわたる糖尿病罹患歴,高血糖,神経障害,視力障害,血流障害,腎障害,足変形,高足底圧,胼胝・鶏眼,足病変の既往,患者のコンプライアンスなど。

    ■代表的症状・検査所見1)

    【症状】

    神経障害を80~90%に認め,血流障害が10~20%,神経障害と血流障害を合併する場合が30~50%である。

    神経障害の症状としてclaw toe(近位指節間関節:PIP,遠位指節間関節:DIPの屈曲変形),hammer toe(PIP,DIP関節の伸展変形),シャルコー足変形,皮膚乾燥などがある。

    神経障害による慢性刺激によって胼胝を形成し,同部位から皮膚潰瘍をきたすことや,熱湯やストーブによって低温熱傷をきたしやすい。

    また,血流障害の症状としてしびれ,冷感,間欠性跛行,安静時痛,潰瘍,壊疽があるが,初期は無症状のことが多い。

    【検査所見】

    糖尿病のコントロールとして血液検査(血算,血糖,HbA1c,BUN,クレアチニンなど)や尿検査(糖,蛋白,ケトン体)を行う。

    末梢神経障害の評価として,振動覚,位置覚,深部腱反射,触圧覚を評価する。

    スクリーニングとしてモノフィラメント法(Semmes-Weinstein monofilament test)が推奨されている。

    感染の評価として細菌培養検査,末梢血の白血球増加やCRP上昇を確認し,骨まで達する深い潰瘍の場合にはX線,MRI,CTなども行う。

    血管障害の評価として下肢(大腿,膝窩,足背,後脛骨)の動脈拍動の有無を確認し,スクリーニングとしてはABIが有用である。ABI<0.9であれば虚血が示唆される。

    その他に経皮酸素分圧(TcPO2)や皮膚灌流圧(skin perfusion pressure:SPP)を測定する。

    また,画像検査としてはカラードップラー,MRAや3D-CTAなどが利用される。

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