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スポロトリコーシス

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-24
辻 学 (九州大学大学院医学研究院臨床医学部門外科学講座皮膚科学分野講師)
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  • ■疾患メモ

    スポロトリコーシスは,病原真菌Sporothrix schenckii sensu lato(S. schenckii sensu lato)による皮膚,皮下組織の感染症である。

    日本において深在性皮膚真菌症としては最も発生率が高い。

    ■代表的症状・検査所見1)2)

    【症状】

    外傷を契機とした難治性の紅色結節あるいは潰瘍を呈することが多い。

    小児または高齢者の露出部(眼瞼,四肢)に好発する。

    病型は,皮膚固定型と皮膚リンパ管型の2つに大別される。

    ・皮膚固定型:初発の病変が限局したまま,慢性に経過する。

    ・皮膚リンパ管型:初発の病変からリンパ行性に病変が散在・多発する。

    【検査所見】

    〈病理学的組織検査〉

    表皮は不規則に肥厚し,真皮上層から脂肪織に好中球・組織球を主体とした炎症細胞浸潤を認める。異物型巨細胞を伴うことが多い。組織中のS. schenckii sensu latoは数少ないが,稀に円形細胞や星芒体として認めることがある。

    PAS染色・グロコット染色に陽性であり,これらの染色は標本中の菌要素を見つけるのに有用である。

    〈真菌培養〉

    ポテトデキストロース寒天培地を用いて,組織標本を25℃で培養すると,5~7日で白色調(たまに黒色調)を呈する,表面が絨毛状の集落が単離される。

    スライドカルチャー法による顕微鏡所見では,隔壁を有する菌糸の側壁および先端に円形−卵円形の分生子を生じるのが特徴である。

    〈スポロトリキン反応〉

    スポロトリキン抗原液(0.1mL)を皮内注射し,48時間後に遅延型過敏反応を検討することがあるが,特異性はさほど高くない。

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