監修: | 今泉 勉(久留米大学心臓・血管内科主任教授) |
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編集: | 古賀義則(久留米大学附属医療センター病院長) |
判型: | A5判 |
頁数: | 328頁 |
装丁: | 2色刷 |
発行日: | 2007年01月30日 |
ISBN: | 978-4-7849-5416-2 |
版数: | 第1版 |
付録: | - |
肥大型心筋症の基礎から臨床、患者管理までを網羅した一冊です。若年者の突然死や、長い経過の間に起こりうる心不全、心房細動などへの対応も詳述しています。不必要な検査を省き必要な検査を行うことができるように、また、適切な病状説明を行いいたずらに患者に不安を与えないために、診断・治療のプロセスが把握できるよう構成されています。
学生や研修医に冠動脈疾患の死因や危険因子は何かと聞くとすぐ答えられる。しかし、肥大型心筋症について聞くと答えられない。この原因についてはいろいろあると思うが、ひとつは肥大型心筋症の適当な教科書がないからと思われる。自分で編集しようとも考えたが、やはり肥大型心筋症の研究では日本の第一人者である、久留米大学医療センター教授古賀義則先生に編集をお願いするのが筋であると思った。肥大型心筋症は日本人では500人に1人の頻度であるので、そうめずらしい疾患ではない。しかし、高血圧や冠動脈疾患に比し、循環器外来を訪れる患者や、入院する患者はきわめて少ない。このため、医師がこの疾患を診る機会が少なく、診断、治療をどのようなプロセスで行ってよいかわからない。
本書をめくって頂ければすぐわかるが、多くは心電図、エコー、運動負荷試験など日常診療で用いる検査で、診断、治療方針の確立ができるのである。肥大型心筋症は若者の突然死の大きな原因であるが、一般的に予後は良い。患者がいたずらに不必要な検査を受けることがなきよう、また突然死の危険性が大きい患者を見逃すことのなきよう、本書を活用して頂ければ幸いである。
2006年12月 今泉 勉