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日医臨時代議員会で医療政策巡り質疑

No.4914 (2018年06月30日発行) P.15

登録日: 2018-06-28

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24日の日本医師会臨時代議員会では、医療政策に関する質疑も行われた。

■地域別診療報酬─絶対に容認できない

藤原秀俊氏(北海道ブロック)は、財政制度等審議会が医療費適正化策として提言した「地域別診療報酬の積極活用」「医療保険の給付率を自動調整する仕組みの導入」に対する日医の対応について質問した。

地域別診療報酬の設定は、高齢者医療確保法に特例として規定されているもの。横倉会長は「地域別診療報酬による医療費抑制は絶対に容認できない」と強調。医療費抑制は健康増進を目的とした政策の結果、実現されることが重要であるとした。

公的年金と同様に人口や経済の動向に応じて医療保険の給付率を自動調整する仕組みについては、政府の「骨太の方針2018」に盛り込まれなかったことを報告。「今後も財政健全化の立場から表現を変えて同様の主張を行うと思うので、十分に留意して対応する」と述べた。

■医師偏在対策─かかりつけ医機能を果たす

徳永宏司氏(中部ブロック)は、真に必要な医師偏在対策を質した。中川副会長は、今国会に提出されている医療法・医師法改正案では、医師偏在対策として都道府県の地域医療対策協議会の機能が強化されたことを紹介し、各医師会がその役割を主導するために支援する方針を表明。その上で、「偏在解消に決定打があるわけではないが、かかりつけ医機能を高め、すべての医師がどの地域でも地域医療を担っていけるようにすることが究極の医師偏在対策だ」と述べ、強制的な仕組みではなく、医師の自主的な判断を促す仕組みを模索するとした。

■オンライン診療─対面診療の補完が原則

2018年度診療報酬改定に関連した質疑も行われた。

小池哲雄氏(関東ブロック)はオンライン診療に対する日医のスタンスを質問。今村副会長は、厚労省が18年度改定で評価したことや、オンライン診療の指針を作成したことについて「無制限に広がっていたオンライン診療を“見える化”した第一歩」と評価した上で、「オンライン診療は対面診療の補完であるとの大原則を、日医として今後崩すことはない」と明言した。

■登録医制度─明確に反対

地域包括診療加算/診療料等を算定している医療機関に機能強化加算が導入されたことについて言及したのは今村孝子氏(山口)。こうした診療報酬が将来的に登録医制度につながることを懸念した。

松本吉郎常任理事は「登録医制度は日医として明確に反対」と主張。機能強化加算については「基本診療料の引上げを求めてきたが厳しい財政制約があった」と経緯を説明した上で、「将来的には、かかりつけ医機能を有するすべての診療所で算定可能になるようにしたい」と述べ、厚労省に要件緩和を働きかける考えを示した。

■柔道整復師─超音波検査の説明は医師法違反

柔道整復師が超音波検査を実施している現状を問題視したのは相原忠彦氏(中四国ブロック)。2003年の厚生労働省医事課長通知では、柔道整復師が施術に関わる判断の参考とするために超音波検査を実施することを容認する一方で、実際には検査結果の説明まで行われていることに疑問を呈した。

松原副会長は、柔道整復師の読影の誤りにより健康被害が発生しているとの認識を示し、「本会として注視している」と発言。また、柔道整復師が検査結果を患者に説明することは「医行為であり、医師法違反にあたる」と述べた上で、「解釈が十分にできない通知は正しくすべき」とし、通知の変更に向けて努力すると回答した。

■梅毒─3類感染症にすることを求める

梅毒のアウトブレイク対策については神﨑寛子氏(岡山)が質問。釜萢敏常任理事は「5類感染症の梅毒を3類感染症とする対応が考えられる」と述べ、「厚労省に強く申し入れをしていきたい」とした。日本では承認されていない梅毒の国際標準薬(ベンジルペニシリンベンザチン水和物の筋注製剤)についても「厚労省の検討会で開発要請がなされているので、厚労省に対し、スピード感のある対応を強く働きかけていく」と述べた。

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