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注射用抗がん剤等の安全な複数回使用の要点[医療安全情報UpDate]

No.4915 (2018年07月07日発行) P.16

登録日: 2018-07-05

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抗がん剤の注射剤は患者の体表面積によって使用量が変わるものが多く、使用時に一定の残液が発生する場合がある。その残液は細菌汚染等の安全性の観点から、多くの添付文書では廃棄するよう記載がなされているが、廃棄分に相当する金額が年間数百億に上るとの試算があり、自民党行革推進本部が残液解消に向けた対応の必要性を指摘していた。これを受けて厚労省研究班が「注射用抗がん剤等の安全な複数回使用の要点」(表)を取りまとめ、厚労省が6月22日に通知した。

■使用回数は2回まで、調製当日に使用
それによると、同一バイアル製剤の複数回使用回数は2回まで。無菌室(ISO Class 5)に設置された安全キャビネット内で調製したバイアルは、ISO Class 8相当およびそれ以上の清浄度管理がされた保管環境では、最初に針刺しした当日内に使用する。この理由については、取り違え事故や調製用量の過誤等の増加など安全確保上のリスクが懸念されるため。リスク低減のため、各施設の状況に応じて調製手順書を作成することも求めた。

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