国民の約2人に1人が罹患しているというアレルギー疾患。2015年に施行されたアレルギー疾患対策基本法に基づき、昨年には基本方針が定められ、医療提供体制・研究体制が整えられようとしている。「免疫アレルギー疾患研究10カ年戦略」の策定に向けた厚生労働省の検討会で座長を務める山本一彦氏(理研)に話を聞いた。
まず1つは、横断的問題です。小児の場合は小児科で診ていますが、成人になると、喘息、アトピー性皮膚炎、花粉症など疾患によって複数科に併診する必要があり、研究する上でも連携がしづらいという指摘があります。
食物アレルギーの患者さんが経時的に喘息やアトピー性皮膚炎になる「アレルギーマーチ」や、小児科から成人各診療科へのトランジションといった垂直的問題もあります。国際連携や疫学の強化も課題です。