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重症喘息における生物学的製剤の使いわけについて

No.5198 (2023年12月09日発行) P.48

中島 啓 (亀田総合病院呼吸器内科部長 大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学)

出雲雄大 (日本赤十字社医療センター 呼吸器内科部長)

登録日: 2023-12-11

最終更新日: 2023-12-05

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  • 重症喘息における生物学的製剤の使いわけはどのようにすればよいでしょうか。適切なシークエンス治療も含めてご教示下さい。
    日本赤十字社医療センター・出雲雄大先生にご解説をお願いいたします。

    【質問者】中島 啓 亀田総合病院呼吸器内科部長 大阪公立大学大学院医学研究科公衆衛生学


    【回答】

    【1つの薬剤に固執せず,「最適解」に近づくように4カ月程度で効果判定を行う】

    重症喘息における生物学的製剤の使いわけに関しては,2023年10月時点では「これが確実に正解」というものはなく,個々の患者に応じて「最適解」を考えて使用していくということになります。ただ,ケースバイケースとなると実際の臨床現場では困るため,「最適解」にたどりつくための解法はあると考えています。

    まず,重症喘息を考える上で目の前の患者が本当に喘息であり,かつ重症喘息であるか否かの診断はきわめて重要です。というのも,喘息の診断は肺がんなどの悪性腫瘍とは異なり,病理などによる確定診断がないためです。つまり「喘息らしさ」をみつけ,疑い,かつ併存疾患の有無・コントロールなどの確認がきわめて重要です。

    さて,重症喘息が確かであった場合に関しては,①併存症の有無,②タイプ2炎症バイオマーカー〔血中・喀痰中好酸球,呼気一酸化窒素濃度(FeNO),血清IgE〕を参考に使いわけを考えていくことになります。これらは日本喘息学会の「喘息診療実践ガイドライン2023」にまとめられていますので,参考にして頂くとよいと思います。

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