【質問者】宮﨑泰成 東京医科歯科大学呼吸器内科教授
【小児喘息ではダニ,成人喘息では真菌が重要な室内環境アレルゲンである】
室内環境における様々なアレルゲンが喘息の発症,増悪,重症化要因となりえますが,ダニアレルゲンは日本人喘息患者において最も重要な室内環境要因です。日本人のダニ感作率は一般集団(日本赤十字社への献血者)での調査でも約40%,20歳代に限れば55%と高率で,アトピー型喘息患者では80~90%に達します。興味深いことに,ダニアレルゲンへの感作は20歳以前に成立し,それ以降の新規感作は稀であるため,ダニアレルゲン感作による喘息発症を予防するためには乳幼児期の環境介入が重要になります。
動物(ペット)由来抗原も重要な喘息関連室内環境アレルゲンであり,特にハムスター,モルモットなど齧歯類への感作喘息は飼育中止により顕著に改善することが知られています。一方,イヌ・ネコ皮屑感作喘息では飼育中止で喘息が改善するとは限らず,アレルゲンへの曝露が屋外環境でも生じていることが示唆されます。
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