研修医、ER医としての勤務医時代から、Clinical Pearlを教えて頂いたり、治療方針のアドバイスを頂いたり、内科の先生方にはお世話になりっぱなしでした。いま改めて、感謝申し上げます。特に内視鏡医の先生方には、緊急内視鏡検査など昼夜間を問わずお願いしてしまいましたが、颯爽と処置していく姿はさながら華麗に舞って人々を魅了するフィギュアスケーターのようでした。
そんな先生方に恐縮ではございますが、先日教訓的事案を経験しましたので、ご報告いたします。高血圧症の既往があって、降圧薬内服中の70歳代の女性の件です。その日の朝に腹痛があり、げっぷもあるということで午前中に消化器内科を受診されました。腹痛は心窩部痛で、胸焼けのような症状もあったようなので、上部消化管内視鏡検査を施行して頂き、逆流性食道炎の診断で、夕方に内服薬処方で帰宅されました。しかし、帰宅後も調子が悪く、ソファーで休んでいたところ夜間になり息子さんが帰宅された時に、ぐったりしており反応がないので救急車を要請されました。心肺停止状態であり、蘇生行為をしながら当院へ搬送されまして、一連のできうる加療を施しましたが、まったく反応なくお亡くなりになりました。
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