国立感染症研究所は16日、今年に入ってからの風疹の累積報告数が10日現在で1103例に達したと発表した。前週から151人増加し、既に昨年1年間(93人)の12倍に上っている。東京(362人)、千葉(216人)、神奈川(132人)、埼玉(78人)の首都圏に愛知(61人)を加えた5都県での増加が続く一方で、首都圏以外も報告が相次いでおり、報告がないのは7県のみとなった。
推定感染源については、届出票に何らかの記載があった186人のうち、職場が69人と最多を占め、次いで、家族、コンサート/ライブ等がそれぞれ26人、旅行/出張が20人、通勤途中が7人、友人/知人が6人などと続く。届出票で把握された職業別では会社員などが人数の上では一番多いが、特に配慮が必要な職種の中では、医療関係者28人、保育士3人、消防士3人の感染が報告されている。医療関係者の内訳は、看護師7人、医療/病院事務7人、医師2人、薬剤師2人などとなっている。
根本匠厚生労働相は16日の閣議後会見で、届出数の増加ペースが4週前から毎週150人前後で推移していることから、「2013年のような大規模流行につながるかについては、慎重に動向を注視する必要がある」と述べた。その上で、先天性風疹症候群を予防する観点から、妊娠を希望する女性などに対して抗体検査を受けるよう周知を徹底する考えを示した。