2年前より両下肢浮腫と労作時呼吸困難が出現し,近医で右側胸水,胆道系酵素上昇を指摘された(図1)。滲出性の胸水であり,ヒアルロン酸は35000ng/mL(胸膜中皮腫に対するカットオフ値100000ng/mL)で,一般細菌・抗酸菌培養および細胞診は陰性であった。心エコーとMR胆管膵管造影にて収縮性心膜炎および硬化性胆管炎が示唆されたが,原因不明のため当科を紹介受診した。
既往歴は心房細動。内服薬はアーチスト®,フロセミド®,スピロノラクトン®。
身体診察では,体温37.0℃,血圧114/82 mmHg,脈拍88回/分,呼吸数12回/分。頸静脈怒張および両下肢に圧痕性浮腫を認める。
一般血液・生化学検査での異常値はAlb 3.3g/dL,ALP 1269U/L,γ-GTP 674U/L,CRP 5.8mg/dL。