【質問者】
佐藤貴浩 防衛医科大学校皮膚科教授
【stage ⅡAまではステロイド外用,紫外線療法が基本。最近は生物学的製剤が注目されている】
近年,皮膚悪性リンパ腫の代表である菌状息肉症,セザリー症候群における治療法の選択肢が増えましたが,その多くは紫外線療法に抵抗性の進行期に対する治療です。紅斑期,扁平浸潤期,つまり病期でいうとstage ⅡAまでは,ステロイド外用,紫外線療法といった皮膚をターゲットにした治療が基本であることは変わっていません。
紫外線療法に抵抗性の病変が出てきた場合,ビタミンA誘導体やインターフェロンγを紫外線と併用します。レチノイドX受容体選択的レチノイドであるベキサロテンは,2016年に皮膚T細胞リンパ腫に対して本邦で承認されました。脂質代謝異常,甲状腺機能低下症がほぼ必発ですが,これまで代替薬として使用されていたエトレチナートよりも効果が強い印象があります。
限局的な腫瘤性病変については,電子線照射も有効です。以前は24~30Gyの線量が多かったですが,緩和的照射として8~12Gy程度の線量で十分であるという報告が出てきています。利便性や再照射のしやすさからも普及しはじめています。
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