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世界から見たHPVワクチン─取り残されている日本【まとめてみました】

No.4935 (2018年11月24日発行) P.8

シャロン ハンリー (北海道大学大学院医学研究院 生殖・発達医学分野産婦人科学教室)

登録日: 2018-11-22

最終更新日: 2018-11-21

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2価および4価のHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンは、ここ12年間で世界135カ国で認可され、108カ国ではワクチン事業(NIP)などに組み込まれて公費助成で接種されている。さらに9価ワクチンが2014年に米国で、16年には欧州連合(EU)で認可された。今年8月の時点で、香港、台湾、韓国、中国を含めて世界の77カ国が認可しているが、日本は未承認である(図1)1)2)3)

9価ワクチンは尖圭コンジローマの原因となるHPV6型と11型の他に7種類(HPV16/18/31/33/45/52/58型)の発がん性HPVのウイルス様粒子から作られており、9割以上の子宮頸がんを予防できると推定されている4)。また2価および4価ワクチンは2億7000万回以上接種され、臨床試験や実際の集団レベルで明らかな効果と安全性が示されている1)5)6)

免疫原性に関する解析結果から世界保健機関(WHO)は2014年、15歳未満への接種回数を3回から2回に減らすことを推奨7)8)。現在、約80カ国で2回接種法が実施されている1)。ただし、HIV陽性者や免疫不全の小児 は3回接種が勧められる。2回接種法では接種間隔を少なくとも5カ月以上空けるべきである。接種回数を減らすと、接種時に感じる不安や痛みを軽減するのみならず、学校単位で接種している国においては、ワクチン接種のために時間割を変更する必要がないなどの学校運営上の負担を少なくできるというメリットが生まれる。また病院で接種する国においては両親と子どもの病院受診回数が少なくなり、政府が支払うNIPのコストを削減できることがメリットとなる。しかし、日本では2回接種はいまだ推奨されていない。

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