真性赤血球増加症では,血栓症予防のためにHt値45%未満を目標に瀉血療法を行うことが推奨されています。しかし日常診療では,患者の背景によってHt値を45%未満に瀉血を行うことの難しさを経験します。瀉血療法のポイントについて,山梨大学・桐戸敬太先生にご教示をお願いいたします。
【質問者】
田所誠司 市立豊中病院血液内科部長
【瀉血療法に伴う鉄欠乏に留意し,継続が困難な場合は細胞減少療法の併用も検討する】
真性多血症(polycythemia vera:PV)の治療目標は,腫瘍としての治癒ではなく,血栓症や出血などの合併症を予防することです。瀉血療法は,ヘマトクリット低下を図る上で最も基本的な手法であり,国内外の治療ガイドラインで推奨されている治療法です。最近の後ろ向き研究でも,瀉血療法は高リスクPV症例の生存率の向上および血栓のリスク軽減に寄与していることが報告されています1)。
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