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【人】光冨徹哉さん「臨床と研究をつなげ肺がん治癒率アップを目指す」

No.4769 (2015年09月19日発行) P.16

光冨徹哉 ( 日本肺癌学会理事長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-13

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  • 光冨徹哉さん(Mitsudomi Tetsuya)

    日本肺癌学会理事長

    1955年福岡県生まれ。80年九大卒、86年同大大学院修了。米国国立がん研究所(NCI)留学、九大助教授、愛知県がんセンター中央病院胸部外科部長、同副院長などを経て、2012年より近畿大呼吸器外科教授。

    「臨床と研究をつなげ肺がん治癒率アップを目指す」

    昨年12月、肺癌学会理事長に就任し、学術集会とは別に市民公開講座を企画するなど積極的な情報発信を展開する光冨さん。「学会に求められる機能は以前に比べかなり多極化しています。2013年に『肺がん医療向上委員会』を発足させた中西洋一前理事長(九大院教授)が作った流れを引き継いで、肺がん治療の最適化・均てん化、患者さんや社会に対する発信、医師以外のメディカルスタッフとの協働をさらに推進し、医療政策への関与も深めていきたいと考えています」と語る。

    専門は呼吸器外科。未だ難治性がんの一つである肺がんの治療は、2002年に保険収載されたゲフィチニブの登場で大きく転換した。当時はどういう人に効くか分からず、劇的に効果のある患者がいる半面、間質性肺炎で亡くなる人の多発が社会問題となった。2004年米国でゲフィチニブとEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異との関係が発表されるやいなや、光冨さんは、愛知県がんセンター中央病院で手術後ゲフィチニブを投与した検体を使って遺伝子解析を開始。西日本がん研究機構の臨床試験グループの主任研究者として、EGFR遺伝子変異を持つ患者を対象に、ゲフィチニブと当時標準治療だった化学療法との無作為比較試験を実施した。

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