柴山昌彦文部科学相は22日の閣議後会見で、医学部入試で不適切な事案があったと文科省が認定した私立8大学の2018年度経常費補助金(私学助成金)をカットすると発表した。東京医大は全額不交付、7大学は25~35%の減額となる。
私学助成金を大学に交付している日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会が21日、決定した。私学助成金に関する取扱要領では、減額や不交付の事由として「入学者選抜の公正が害されたと認められるもの」と規定しており、今回の事案がこれに該当すると判断した。
東京医大(17年度交付額:約23億円)は贈賄容疑で前理事長・学長が起訴されていることを踏まえ、全額不交付。岩手医大(同18億円)、昭和大(同55億円)、順天堂大(同56億円)、北里大(同41億円)、金沢医大(同13億円)、福岡大(同37億円)は、不適切な事案が生じた後、速やかに必要な対応が取られたとして、25%の減額。日大(同92億円)は医学部入試問題に関しては必要な対応が取られたものの、アメフトタックル指示問題で適切な対応が取られなかったとして、35%の減額とする。
具体的な交付額は3月中旬から下旬に正式に決定する。翌年度以降については、各法人の改善努力を確認した上で段階的に減額幅を縮小する。
なお、文科省からの「不適切である可能性が高い」との指摘を否定している聖マリアンナ医大に関して柴山文科相は、「第三者委員会の設置を再三指導してきたが、今日までその対応が取られていないことは大変遺憾」とした上で、「不適切な事案が確認されれば、これまで速やかな対応が取られていないことを踏まえ、減額について(運営審議会で)議論してもらう」と話した。
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