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【人】佐藤正之さん「質の高い音楽療法の研究成果を発信し続けたい」

No.4781 (2015年12月12日発行) P.14

佐藤正之 (三重大学大学院認知症医療学講座准教授)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-01-31

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  • 佐藤正之さん(Satoh Masayuki)

    三重大学大学院認知症医療学講座准教授

    1963年大阪府生まれ。86年相愛大音楽学部卒。94年三重大卒。市立伊勢総合病院、三重大助手などを経て、2009年東北大院准教授。10年より現職。三重大病院音楽療法室室長、同認知症センター副センター長も務める。

    「質の高い音楽療法の研究成果を発信し続けたい」

    認知症などの神経疾患に対する音楽療法のエビデンス確立に取り組む。3年前、三重大の新病院開設を機に、自由診療として外来で始めた音楽療法では、佐藤さんが指導する音楽療法士の下、認知症患者が往年の流行歌や季節の唱歌を歌い、リズムに合わせて手を叩き、楽器も演奏する。患者からの評判は上々だ。

    認知症の非薬物療法で明確なエビデンスが示されているのは有酸素運動のみ。佐藤さんも治療では、エビデンスレベルの高いものから推奨する。「音楽療法の効果は、実践した者なら誰でも実感できますが、音楽に特別な関心のない医療従事者や、制度を決める行政官に納得してもらうためには、客観的指標に基づくデータを示すことが唯一の方法です」

    2011~12年には、三重県南端の御浜町、紀宝町、ヤマハ音楽振興会と共同で、1年間の音楽療法の実証研究を実施。音楽と体操を組み合わせることで、MMSEのスコア、視空間認知、精神運動速度が有意に改善・維持されるとの結果が得られ、成果は昨年、オンラインジャーナル『PLOS ONE』に掲載された。

    「音楽療法に関する論文は世界的に増えており、関心の高まりが窺えます。日本からも質の高い研究を継続的に発信したいですね」

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