日本医師会は2月27日の定例会見で、全国の医療機関からワクチン供給の情報を収集するシステムの構築を進めていることを明らかにした。風疹患者の増加に伴う追加対策として、今後3年間、抗体価の低い39~56歳の男性を予防接種の対象に含めることを踏まえた対応。釜萢敏常任理事は、収集した全国の情報を行政と共有し、「円滑なワクチン供給につなげたい」と述べた。
釜萢氏によると、構築中のシステムでは、医療機関が施設名、所属する郡市区医師会、医薬品卸に注文したワクチンの納入状況などの情報を日医へ報告する。システムの運用開始時期は、市区町村と医療機関で風疹抗体検査と予防接種の実施体制が整う6月頃を目指している。
麻疹・風疹報告数の増加やメーカーによる増産の限界などから、現時点で需給の逼迫が最も懸念されるのはMRワクチンだが、日医のシステムはMRワクチンだけでなく、定期・任意接種のワクチン全般の需給状況の把握に対応する予定。