近年、薬剤耐性菌の蔓延が世界的課題となっている。政府は5月の伊勢志摩サミットでも議題にする予定で、今月には「薬剤耐性対策アクションプラン」を初めて策定した。アクションプラン作成の際に意見聴取した専門家の1人が舘田さんだ。
現在、日本化学療法学会の創薬促進検討委員会委員長を務めている。同学会など関連8学会は今年2月、薬剤耐性菌対策を提言。①戦略的サーベイランス、②院内感染対策、③抗菌薬適正使用支援、④創薬促進のための施策─の必要性を訴えた。
「創薬については、日本の製薬企業が世界標準の抗菌薬を多数作ってきた歴史がありますが、今は収益性の低さから開発を継続するのが難しい」
解決策の1つが、特許期間の延長など抗菌薬開発にインセンティブを設けた米国のGAIN法。アクションプランもGAIN法を例示し、日本でも開発インセンティブを検討する方針を示した。「創薬のリソースがある日本が抗菌薬を開発して、世界貢献をしなければいけない。ビジネスとしても成立する開発促進策を作っていただきたいですね」
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