【質問者】
辰巳正純 小樽協会病院小児科部長
【発熱反復によりQOLの低下がみられる場合には,治療選択肢のひとつとして扁桃摘出を考慮すべきである】
周期性発熱は「無症状の期間を挾んで数日〜数週間持続する,一般的な感染症では説明のつかない発熱のエピソードを,6〜12カ月に3回以上繰り返す状態」と定義されます。本稿では周期性発熱の中でも日常臨床で遭遇する機会の多いperiodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and adenitis syndrome (PFAPA)症候群について概説します。
PFAPA症候群は,周期性発熱,咽頭炎,頸部リンパ節腫脹を3大症状とする疾患です。5歳以下の幼児期での発症が多く,38~41℃の発熱を3〜5週間の周期で規則的に繰り返します。鼻汁,咳,痰などの上気道炎症状は,ないかあっても軽度にもかかわらず,感冒による発熱の反復と診断されているケースが多いのが現状です。無治療であっても10歳前後で自然寛解する例がほとんどですが,高熱を反復するため通園,通学に支障をきたす例も多く,学童期患児のQOLの低下をまねきうる疾患です。
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