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慢性骨髄性白血病(CML)の最新の治療戦略について

No.4953 (2019年03月30日発行) P.58

伊藤薫樹 (岩手医科大学医学部臨床腫瘍学講座教授)

髙橋直人 (秋田大学医学部血液・腎臓・膠原病内科学講座教授)

登録日: 2019-03-27

最終更新日: 2019-03-26

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  • CMLの最新の治療戦略について,十分な寛解が得られない場合の治療戦略についてもご教示下さい。
    秋田大学・髙橋直人先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    伊藤薫樹 岩手医科大学医学部臨床腫瘍学講座教授


    【回答】

    【より深い分子遺伝学的寛解はTKI中止のための必要条件である】

    イマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害薬(tyrosine kinase inhibitor:TKI)が導入され,慢性期慢性骨髄性白血病(chronic phase- chronic myelocytic leukemia:CML-CP)の長期予後は著しく改善しました。国際標準BCR-ABL定量ポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction:PCR)法にて,BCR-ABLコピー数が診断時の100%からいわゆる分子遺伝学的大効果(major molecular response:MMR)と定義される0.1%まで低下すれば,CMLが急性転化することはほとんどありません。イマチニブ不耐容で治療が継続できず十分な治療効果が得られない場合や,付加的染色体異常などで高リスクの場合,ABL点突然変異が認められた場合には第2・第3世代TKIを投与することでMMRを達成し,長期予後を期待することができます。

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