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(2)帯状疱疹の診断・治療のコツ[特集:中高年期の帯状疱疹]

No.4954 (2019年04月06日発行) P.26

漆畑 修 (宇野皮膚科医院院長)

登録日: 2019-04-08

最終更新日: 2019-04-03

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2014年の水痘ワクチン定期接種化を境に帯状疱疹患者が急増し,患者の低年齢化と,複数回罹患患者の増加もみられるようになった

早期から正確に診断し正しい治療を的確に行って,つらい帯状疱疹後神経痛を残さないことが治療のポイントである

身体の片側の一部に疼痛が現れて受診したら,必ず帯状疱疹も鑑別診断に挙げ,皮膚をよくチェックすることも大切である

2018年1月から帯状疱疹の迅速診断キット「デルマクイックVZV」が発売され,5分程度の所要時間で確定診断ができるようになった

年齢や症状に応じて抗ヘルペスウイルス薬,鎮痛薬・鎮痛補助薬,弱オピオイド等を正しく的確に使用するばかりでなく,急性期から患部は冷やさず積極的に入浴させることが治療のポイントである

1. 帯状疱疹の疫学が大きく変わろうとしている

帯状疱疹の疫学調査では,外山皮膚科の外山 望先生を中心に宮崎県全県で1997年から実地されている大規模疫学調査「宮崎スタディ」が,世界で最も信頼されている疫学データとされている。それによると21年間で患者数・発症率とも年々明らかな増加傾向がみられたが,2014年の水痘ワクチン定期接種化を境に急増していることが明らかになり(図1)1),全国の医師が肌で感じていることが疫学調査でも確認された。米国でも1996年に水痘ワクチン定期接種化以降に帯状疱疹患者の増加が報告されている。

  

この理由は水痘患児が激減し水痘の流行がなくなった結果,水痘患者からの免疫ブースター効果による帯状疱疹発症抑制もなくなったためと考えられる。

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