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本態性血小板血症における出血傾向の機序と抗凝固療法の実際について

No.4959 (2019年05月11日発行) P.50

張替秀郎 (東北大学大学院医学系研究科血液・免疫病学分野教授)

下田和哉 (宮崎大学医学部内科学講座消化器血液学分野教授)

登録日: 2019-05-14

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  • 本態性血小板血症においては,しばしば血小板数が150万/μLを超えますが,このような症例では,むしろ出血傾向を呈する場合があります。血小板数が150万/μLを超える症例が出血傾向を呈する機序と,このような症例に対する抗凝固療法の実際についてご教示下さい。宮崎大学・下田和哉先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    張替秀郎 東北大学大学院医学系研究科血液・免疫病学分野教授


    【回答】

    【血小板数の著増に伴うvon Willebrand因子の低下が原因。細胞減少療法を先行して行う】

    本態性血小板血症は骨髄増殖性腫瘍のひとつで,血小板数の増加を特徴とします。生命予後は基本的に良好ですが,血栓症や出血がQOLの低下や死因となるため,これらの予防が治療の主眼となります。血栓症の既往があること,年齢≧60歳のいずれかを認める場合,血栓症の高リスク群として低用量のアスピリンと細胞減少療法薬(アナグレリドまたはヒドロキシカルバミド)の投与を行います。血小板数≧150万/μLやJAK2変異などを血栓症のリスクとする報告もあります。

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