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イオン飲料多飲によるビタミンB1欠乏症

No.4960 (2019年05月18日発行) P.40

奥村彰久 (愛知医科大学医学部小児科教授)

登録日: 2019-05-17

最終更新日: 2019-05-15

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  • わが国では近年,イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症が繰り返し報告されている

    イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症は乳幼児に多く,その背景には養育環境の問題が高率で存在している

    イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症の新規発生を防ぐため,その危険性を広く周知する必要がある

    1. イオン飲料多飲とビタミンB欠乏

    栄養状態が良い先進国では,小児のビタミンB1欠乏症は稀である。しかし,アトピー性皮膚炎における過度の食事制限・自閉症スペクトラム障害による極端な偏食・化学療法の副作用や消化器疾患における低栄養などによる小児のビタミンB1欠乏症は現在でも散見される。

    著者は,近年わが国でイオン飲料水などの多飲によるビタミンB1欠乏症が繰り返し報告されていることに注目した。わが国ではイオン飲料の消費が増加傾向であり,近年は子どもを対象とするプロモーションも行われている。これらのプロモーションは,多飲の誘因になりうる。しかし,イオン飲料などの多飲によるビタミンB1欠乏症については,詳細な調査は行われていなかった。著者らは,日本小児連絡協議会栄養委員会として全国調査を施行し,その実態を明らかにするとともに,その背景を検討した1)

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