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原発性マクログロブリン血症[私の治療]

No.4968 (2019年07月13日発行) P.49

関口直宏 (独立行政法人国立病院機構災害医療センター血液内科医長)

登録日: 2019-07-13

最終更新日: 2019-07-09

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  • 原発性マクログロブリン血症(Waldenström’s macroglobulinemia:WM)は,IgM型M蛋白血症を呈し,骨髄を病変の首座とする稀少な低悪性度B細胞リンパ腫である。リンパ節が腫脹している症例では,リンパ形質細胞リンパ腫とも呼ばれる。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    骨髄浸潤に伴う正常造血の抑制,リンパ節腫大,脾腫,高サイトカイン血症に伴うB症状(発熱,寝汗,体重減少),高IgM血症に起因する過粘稠度症候群,寒冷凝集素症,末梢神経障害,などの多彩な臨床像を呈する。

    【検査】

    IgM型M蛋白血症を認め,骨髄,あるいはリンパ節においてB細胞,リンパ形質細胞,形質細胞の腫瘍性増殖を確認する。造影CTを用いてリンパ節腫大,肝臓・脾臓腫大,髄外腫瘤の有無を確認する。鑑別すべき疾患はIgM型M蛋白血症を呈する低悪性度B細胞腫瘍,特に脾B細胞辺縁帯リンパ腫,慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫とIgM型骨髄腫である。臨床像,病変の分布,病理像の相違に加え,MYD88 L265P変異やbcl1/IgH転座の有無が鑑別に有用である。治療介入を要する症候性WMと診断した際には,年齢,M蛋白量(血清IgM値),貧血・血小板減少の有無,β2ミクログロブリン値に基づく予後予測を行う。

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