日本医療機能評価機構は16日、手術時のガーゼ残存に関する注意喚起を7月に続き再度行った。X線画像でガーゼを発見できなくてもガーゼが残存していた事例があることを周知し、ガーゼカウントが合っていてもガーゼが残っている可能性があるという認識でX線画像を確認することを求めている。
機構は7月に公表した「医療安全情報No.152」の中で、手術時にガーゼカウントを行ったが体腔内にガーゼが残存した事例が、2016年1月~19年3月の間で57件報告され、そのうち48件ではカウントが合っていたことを周知していた。
16日に公表した「医療安全情報No.153」では、上記の57件のうち、43件で手術終了時にX線撮影が実施されており、X線画像でガーゼを発見できなかった事例が26件に上ったことを報告。その多くは、閉創前のガーゼカウントが合っていた事例だという。
X線画像でガーゼを発見できなかった主な背景は、「カウントが合っていたため、ガーゼが残存していないという前提でX線画像を確認した」「ガーゼが骨と重なっていた」「挿入したドレーン・チューブに注目して確認した」「画面が小さく、X線画像を確認しづらかった」「X線撮影の範囲にガーゼが残存した部位が含まれていなかった」。
こうした事例を踏まえ、ガーゼカウントが合っていてもガーゼが残っている可能性があるという認識でX線画像を確認することや、X線画像は大画面モニタを用いて輝度の変更を行い確認すること、X線画像で確認しやすいガーゼの導入を検討することを呼びかけている。