【質問者】
加藤則人 京都府立医科大学皮膚科教授
【人材育成のためにPAE認定制度を実施。CAI認定制度も実現に向け進行中】
アレルギー疾患は罹病率が高く,ありふれた疾患です。しかし服薬手技が十分でなければ,あるいは生活環境に関する一定の工夫をしなければ,症状の改善は困難です。すなわち,食物アレルギーにおける食事・栄養指導,喘息における服薬・吸入指導,アトピー性皮膚炎におけるスキンケアと外用指導,アレルギー性鼻炎における鼻噴霧指導と抗原回避等は,アレルギー診療における大変重要なポイントです。
「牛乳を除去して下さい」「お薬を出しておきます」という説明だけでは不十分であり,しばしば治療を困難にします。たとえば重症喘息の50~80%は適正な吸入指導により軽症化すると言われています。しかし,十分な説明,服薬指導,生活指導を行うには相当の時間が必要であり,また熟練したスキルとアップデートな知識が求められるため,多忙な実臨床において容易なことではありません。
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