【質問者】
村中清春 諏訪中央病院総合診療科医長
【選択培地や感受性でのスクリーニングと表現型・遺伝子型での確認を組み合わせて実施】
カルバペネマーゼ遺伝子の多くはプラスミド性に菌種を超えて伝播するので,カルバペネマーゼ産生菌を早期に確実に検出する体制を構築することは,感染管理を適切に実施していく上で不可欠です。スクリーニング方法としては,メロペネムやラタモキセフ1)の最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration:MIC)を使用する方法などが提唱されていますが,この方法が使用できるかは,使用する薬剤感受性検査パネルがどこまで上記薬剤をカバーしているかにもよります。
ほかの方法としては,カルバペネマーゼ産生菌の選択培地の効率的な使用や,一定の耐性菌に対するルーチンでのカルバペネマーゼ産生の確認試験の実施が挙げられます。
選択培地としては,クロモアガー mSuper CAR BA培地(関東化学)が挙げられます。カルバペネマーゼ産生菌の選択性があり,発色基質により菌種特異的に呈色します。多剤耐性緑膿菌の一部なども発育を認めるため,発育菌に対してはカルバペネマーゼ産生の確認試験の実施が必要となりますが,かなり対象株を絞り込むことができます。
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