【質問者】
石井直弘 国際医療福祉大学病院形成外科教授
【超音波を用いてリンパ管を同定し,状態のよいリンパ管をLVAに用いる】
大腿部は皮下脂肪が厚いため,大腿部でのリンパ管静脈吻合術(lymphaticovenular anastomosis:LVA)は難しいと言われます。特に重症例では,足背や足関節部にインドシアニングリーン(indocyanine green:ICG)を注射しても薬剤が大腿部まで到達せず,大腿部のリンパ管が描出されないこともあります。
最近筆者らは,超音波を使ってリンパ管を同定しており,機能良好なリンパ管が確実に見つかるようになりました。ICG検査やリンパシンチグラフィは,リンパ管の場所を同定することはできますが,リンパ管硬化を評価することはできませんでした。超音波を用いることで,個々のリンパ管の形態,つまりリンパ管硬化の程度を診断することができ,より状態のよいリンパ管を選択してLVAに用いています。
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