Don't use expensive medications when an equally effective and lower-cost medication is available.
(American College of Preventive Medicine:February 25, 2015)
同等の効果でより安価な薬剤が利用可能であるときは,高い薬剤を利用しない。
本推奨の解説では「ジェネリック医薬品は先発品に比べ安価で,同じ有効成分,同等の力価を持ち,類似した効果を持つことが要求されるものである。ジェネリック医薬品のスタチン使用が10%増えるごとに年間の薬剤費が10億ドル削減されうると推定している」と記載されており,ジェネリック医薬品による医療費削減効果を謳っている。
根拠論文によると,メディケアのデータを用いたJohnらの調査では,44%のメディケア登録者に処方されており,先発品とジェネリック医薬品との間に臨床上の明らかな相違点が指摘されていないスタチンを対象として用いた。1カ月服用した場合の薬価はジェネリック医薬品では平均$5.15,先発品では$33.57〜46.90であった。先発品の支払額が高額であることがジェネリック医薬品の使用増に与える影響は少なく,ジェネリック医薬品の支払いが保険プラン上で無料であることが最大のジェネリック医薬品処方割合の増加要因であった。また,アドヒアランス目標達成率はジェネリック医薬品服用者と先発品服用者でそれぞれ61%,53%とジェネリック医薬品服用者で高く,ジェネリック医薬品の使用推進は入院数や救急部門の利用回数を減少させうるとしている。
以上のことからジェネリック医薬品の患者負担を保険上無料にするという,薬剤の価値に立脚した保険デザインの重要性を論じている1)。またShrankらの後ろ向き調査では,慢性疾患治療の開始時に,ジェネリック医薬品または患者が希望する先発品を処方した場合に,そうでない場合に比べてアドヒアランスが8.8%有意に高いという結果が得られた2)。
以上のようにジェネリック医薬品は安価なばかりでなく,アドヒアランスの改善による疾患コントロールの改善という点からも期待される。
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