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Paget病の最近の話題について

No.5010 (2020年05月02日発行) P.54

福永 淳  (神戸大学大学院医学研究科皮膚科学講師)

高井利浩  (兵庫県立がんセンター皮膚科部長)

登録日: 2020-05-01

最終更新日: 2020-04-27

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  •  最近の乳房外Paget病の治療の進歩と今後の治療の発展の見通しについてご教示下さい。兵庫県立がんセンター・高井利浩先生にお願いします。

    【質問者】

    福永 淳 神戸大学大学院医学研究科皮膚科学講師

    【回答】

    【皮膚病変が肛門周囲にある場合,肛門管癌/直腸癌が潜在する二次性Paget病の可能性を考慮し,慎重な検討を行う】

    外陰部のPaget病は,アポクリン腺への分化を示す腺癌細胞が表皮内に分布し,臨床的に紅斑,局面,びらんを呈する皮膚癌です。しかし,尿路や肛門管/直腸,婦人科領域の癌腫が径上皮的に水平進展し,それらの開口部に紅斑やびらんを呈することがあり,二次性Paget病として知られています1)。つまり,肛門周囲に皮膚病変があり,病理組織で表皮内に腺癌細胞を見た場合,それが皮膚原発Paget病か肛門直腸の腺癌に由来する二次性Paget病かが問題となります。当然,皮膚原発であれば皮膚病変に対する外科治療のみで根治しえますが,二次性Paget病の場合には下部消化管の癌腫の併存を前提とした治療方針,つまり直腸切断を含む手術治療を検討します。このように治療の範囲,侵襲,治療後の機能障害が大きく異なり,適切な治療を決めるためにこれら2者の鑑別は重要な意義を持ちます。

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