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非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は心血管疾患を合併しやすい?

No.5025 (2020年08月15日発行) P.50

高橋宏和  (佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター教授)

小関正博  (大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 医学部講師)

登録日: 2020-08-12

最終更新日: 2020-08-06

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  • 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は,心血管疾患を合併しやすいのでしょうか。
    大阪大学・小関正博先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    高橋宏和 佐賀大学医学部附属病院肝疾患センター 教授


    【回答】

    【心血管疾患の合併に注意が必要】

    日本消化器病学会「NAFLD/NASH診療ガイドライン2014」によれば,非アルコール性の脂肪肝から脂肪肝炎や肝硬変に進行した状態までを含む一連の肝臓病が「NAFLD」と定義されています1)

    NAFLDは,ウイルス性肝炎とは異なり,肥満や糖尿病,低HDL-コレステロール血症,高中性脂肪血症などの脂質異常症を背景とすることが多く2),それらは心血管疾患の危険因子に一致しています。

    2011年にMussoらが行ったメタアナリシスでは,NAFLDにおける心血管イベントの発症リスクは,一般住民と比較して約2倍のオッズ比(オッズ比:2.05,95%CI:1.81~2.31)と,高率であることが示されています3)。1975年からの30年間に米国でNAFLDと診断された619人のうち,死亡または肝移植を受けた193人について原因を解析した研究では,肝臓関連の合計8.8%に対し,心血管疾患による死亡は38.3%と最も多くの割合を占めました4)。ただし,追跡期間の前半はスタチンが上市されていない期間を含んでおり,スタチンによる脂質異常症治療が一般化した現在のリスクとは異なる可能性があります。

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