新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では、陰性になった後も続く後遺症が問題になっている。日本呼吸器学会は、その後遺症の実態調査・研究を始めると7月に発表した。どういう調査なのか、国内外で報告されている後遺症にはどのようなものがあるのか、日本呼吸器学会理事長の横山彰仁氏に聞いた。
加藤勝信厚生労働大臣が、7月に記者会見で、COVID-19の後遺症の実態調査をすると発表しました。そのうち、入院中に酸素投与が必要だった中等症Ⅱ(呼吸不全あり)と重症の成人患者さん1000人の調査を、厚労省の特別研究として、日本呼吸器学会が担当します。研究代表者は私が務め、9月から本格的に実態調査・研究を開始する予定です。
イタリア呼吸器学会などの報告では、退院後も約半分の患者さんに肺機能の異常がみられるようですが、日本での実態は不明です。呼吸器専門医の学術団体である呼吸器学会の社会的使命として、日本での後遺症の実態を明らかにしなければならないと考えました。
日本呼吸器学会の旧専門医制度認定施設の代表指導医を対象に、7月末、この調査・研究への参加意思などを問う予備調査を実施しました。予備調査で参加の意思を示した、北海道から沖縄まで全国約80施設が、本調査に参加する予定です。