70歳,男性。九州出身。
現病歴:10年以上前から下痢と便秘,腹部膨満感を繰り返してきた。嘔気,食欲不振,体重減少が出現したため受診した。入院時現症:血圧130/70mmHg,呼吸数16回/分,脈拍80回/分,体温36.0℃。腹部膨満を認める。腸音は亢進している。打診で鼓音あり,心窩部に軽度圧痛あり。直腸診で腫瘤,血便を認めない。検査所見:白血球数および分画は正常。Hb 10.0g/dL,Ht 28.5%,血小板16.0万/mm3。生化学検査:TP 6.0g/dL,Alb 2.8g/dL,AST 52IU/L,ALT 45IU/L,LDH 240IU/L。便潜血陰性。確定診断のために胃内視鏡ガイド下針生検を施行した。
身体所見で腹部膨満を認める。精査目的で上部消化管内視鏡を施行し,得られた胃生検組織像を図に示す。