国立がん研究センターが今年6月に新設した希少がんセンターの初代センター長に就任した。
希少がんは年間発生率が人口10万人当たり6例未満のまれながんの総称。「実際には、肉腫(サルコーマ)、メラノーマ、脳腫瘍、小児がん、網膜芽細胞腫など疾患や治療法は多種多様ですが、希少がんセンターとして窓口を一本化し、患者さんや紹介医に分かりやすい形にしました。希少がんには、正確な情報が不足している、正しい診断に基づいた適切な治療が受けられていない可能性がある、患者数が少ないために新たな治療開発が遅れている、など共通の課題があります。センターとして正しい情報を発信し、他の病院とも連携して課題の解決に取り組んでいきたい」と抱負を語る。
川井さん自身の専門は肉腫の治療・研究開発。医師を目指したのは、中学生の頃に身近な人が骨肉腫になって足の切断を余儀なくされ、悔しい思いをしたのがきっかけだった。
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