厚生労働省は2月14日、ファイザーが昨年12月18日付で承認申請していた新型コロナウイルスワクチンについて、特例承認の枠組みを用いて正式に承認した。新型コロナ感染症(COVID-19)のワクチンが国内で承認されたのは初めて。
承認されたワクチンは、米ファイザー社と独ビオンテック社が共同開発したmRNAワクチン。販売名は「コミナティ筋注」、効能・効果は「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による感染症の予防」で、生理食塩液1.8mLで希釈し、1回0.3mLを3週間の間隔で2回、筋肉内に注射する。
添付文書には「本剤の予防効果の持続期間は確立していない」「本剤の接種は16歳以上の者に行う」「1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施する」などの注意事項が明記された。
ファイザーのワクチンは「-75℃±15℃」の超低温で輸送・保管する必要があり、解凍後は冷蔵条件(2~8℃)で最大5日間保存可能とされている。
厚労省とファイザーは、2021年中に約1億4400万回分(約7200万人分)のワクチン供給で最終合意しており、米ファイザー社と独ビオンテック社は「最終合意書に基づきワクチンを直ちに日本に供給する」としている。
日本向けのワクチンは、ドイツにあるビオンテックの製造施設と、ベルギー(プールス)にあるファイザーの製造施設で製造。ワクチンの第一便は、承認に先立って12日に成田空港に到着しており、医療従事者への先行接種は2月17日にも開始される。
石橋太郎ファイザーR&D合同会社社長のコメント「これまでにないスピードで特例承認が得られたことを大変嬉しく思う。引き続き臨床試験と製造販売後調査で本剤の安全性と有効性に関する情報を収集し、適正使用のための情報を発信していく」
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