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“withコロナ時代”の今,開業については見合わせるべきか?[開業医の教科書Q&A(14)]

No.5072 (2021年07月10日発行) P.52

笠浪 真 (税理士法人テラス 代表税理士)

登録日: 2021-07-12

最終更新日: 2021-07-06

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“withコロナ時代”の今,開業については見合わせるべきか?

“withコロナ時代”の今だからこそ,開業のチャンスがあることを解説します。

「コロナ禍の今,開業を考えているのですが,見合わせたほうがよいでしょうか?」
開業について,私のところにはこんな相談が数多く寄せられます。今回は,「コロナ禍の今だからこそ,開業のチャンスがある」ということと,開業を検討する際の,主に融資を受けるときの留意点についてお話しします。

1:医院・クリニックの開業の現状

厚生労働省の「令和元(2019)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況」1)によると,2019年10月1日時点で,全国の医療施設は17万9416施設と,前年に比べ326施設増加しています。

内容を見ていくと,「病院」は8300施設で,前年に比べ72施設減少。「一般診療所」は,10万2616施設で511施設増加ですが,これは無床一般診療所の増加によるもので,有床一般診療所は減少傾向にあります(図1)。このことから,より小さな医院やクリニックが増えていることになります。

これ以降のデータはまだ公表されていませんが,コロナ禍によって医院やクリニックの開業が抑えられている印象はあります。

2:“開業のチャンス”と言える理由

現在,多くの先生が,コロナ禍が収束しないため,開業については慎重な姿勢を示しています。しかし,私の個人的な意見にはなりますが,しっかりとリスクとチャンスを天秤にかけることで,このような状況下でも開業の可能性は十分にあると考えています。
その理由を,「物件」「資金調達」「スタッフ採用」の3つの観点からご説明します。

1)物件:今まで出なかったような優良物件を手に入れやすいから

医院・クリニックの経営がうまくいくかどうか,これに大きく影響するのが“物件”,そしてその“立地”です。

駅近くのテナントなどは人気が高いため空きが出ず,また新しくビルを建築するにしても水面下での募集が多かったため,なかなか表に出なかった,という事情がありました。さらに,コロナ感染拡大防止のため,わが国でも緊急事態宣言が発出され,土地のオーナーがビルの建築を控えていました。したがって,開業に適した,立地の良い物件がなかなか出てこなかったという傾向が,今まではありました。

しかしコロナ禍が長引き,“withコロナ時代”として「今後どうしていくか」を考えなければならなくなった現在では,この流れが変わってきています。

・飲食店やエステなどの撤退や統廃合,テレワークの浸透による事業所の縮小などで,認知性・視認性に優れた駅前などの好条件のテナント,医療モールが空いてきている
・土地やビルのオーナーも,医療機関は優良な店子であり,また社会貢献にもなるため,医院やクリニックを誘致したいと考える人が増えている

現在は,優良物件を手に入れるチャンスが増加していると言えるでしょう。

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