政府の新型コロナウイルス感染症対策本部は7月8日、東京都に4度目となる緊急事態宣言を出すことを決めた。期間は7月12日~8月22日。沖縄県に発令中の緊急事態宣言も8月22日まで延長する。政府は併せて、埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府に対するまん延防止等重点措置を8月22日まで継続することも決めた。
緊急事態宣言の期間中、東京・沖縄の飲食店での酒類提供は一律停止。重点措置適用地域の飲食店での酒類提供も原則停止となるが、知事の判断で緩和できる。
菅義偉首相は8日の記者会見で、人流の高止まりやデルタ株の影響で「首都圏の感染者数は明らかな増加に転じている」と現状分析。「東京を起点とする感染拡大を起こすことは絶対に避けなければならない」との思いで、東京に緊急事態宣言を出す判断をしたと述べた。
会見に同席した基本的対処方針分科会の尾身茂会長は、東京に緊急事態宣言を出す理由として、40~50代の入院患者数・重症者数の急速な増加を強調。「おそらくデルタ株の影響だと思うが、40~50代の比較的若い年齢層で重症化し入院する人が(増えている)。このまま放っておくと感染がさらに拡大し医療が逼迫する蓋然性がかなり高い」と今回の判断の背景を説明した。
東京への緊急事態宣言発令決定を受け、東京五輪(7月23日~8月8日)の首都圏などの会場は無観客開催とすることが決まった。
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