ドパミントランスポーター(dopamine transporter:DAT)とは,中脳黒質のドパミン作動性神経細胞の線条体の終末部にある構造物で,線条体に放出されたドパミンを再取り込みする働きを有する。
DATシンチグラフィは,DATを画像化する核医学検査で,わが国では2014年1月からイオフルパン(DaTSCANⓇ:日本メジフィジックス社)を用いた本検査が可能になった1)。本検査は,中脳黒質のドパミン作動性神経細胞の変性に伴う疾患と,それ以外の疾患を非常に高い精度で鑑別することができる。
パーキンソン症候群を呈する変性疾患,すなわちパーキンソン病(PD),レビー小体型認知症(DLB),多系統萎縮症,進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症では,線条体のイオフルパン集積が低下し,本態性振戦,薬剤性パーキンソニズム,心因性パーキンソニズムではイオフルパン集積は正常で,脳血管性パーキンソニズムでは集積正常と低下例が報告されている。
PDではHoehn-Yahrの重症度分類が1度の時点で,既に病巣側と反対側の線条体の集積が半分に低下し,健側も低下していることが多く,PDの早期診断に有用である。ただし,PDと他の変性疾患に伴うパーキンソン症候群との鑑別は難しいとされている。
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