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多職種連携の必須知識!〈言語聴覚士〉─豊かなコミュニケーションを支えます[プライマリ・ケアの理論と実践(114)]

No.5080 (2021年09月04日発行) P.12

内山量史 (春日居サイバーナイフ・リハビリ病院リハビリテーション部言語療法科部長)

登録日: 2021-09-02

最終更新日: 2021-09-01

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SUMMARY
言語聴覚士はチーム医療の一員としてコミュニケーション障害や摂食嚥下障害に関わっている。また介護予防事業やフレイル予防に参画し,地域における高齢者のより良いコミュニケーション環境づくりにも貢献している。

KEYWORD
コミュニケーション
高齢者の会話については,80歳以上では約4人に1人は毎日会話をしていないとの報告がある。また,言語的交流の多い者は生活意欲や自立度が高いという報告もあり,高齢者の言語的交流が多くなる街づくりが必要である。

内山量史(春日居サイバーナイフ・リハビリ病院リハビリテーション部言語療法科部長)

PROFILE
福井医療技術専門学校(現・福井医療大学)卒業後,春日居サイバーナイフ・リハビリ病院入職。日本言語聴覚士協会副会長,山梨県言語聴覚士会会長,日本音声言語医学会評議員,チーム医療推進協議会理事など。

POLICY・座右の銘
やることを決める 決めたことをやる

1 言語聴覚士とは

社会生活に欠かせないもの,それが“ことば”である。“ことば”の獲得には“きこえ”は必要不可欠であり,“ことば”と“きこえ”は一体となって効果的に機能する。これらの障害に対して専門的に関わるのが言語聴覚士である。

言語聴覚士法では,言語聴覚士は「厚生労働大臣の免許を受けて,言語聴覚士の名称を用いて,音声機能,言語機能又は聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため,言語訓練その他の訓練,これに必要な検査及び助言,指導その他の援助を行うことを業とする者」とされており,第42条では「診療の補助として,医師又は歯科医師の指示の下に,嚥下訓練,人工内耳の調整その他厚生労働省令で定める行為を行うことを業とする」と定められている。 

2 言語聴覚士の活躍の場

言語聴覚士は医療・介護・福祉・学校教育など多様な職域で活躍しているが,勤務先として最も多いのは医療機関であり,日本言語聴覚士協会の会員の71.7%が勤務している。診療科ではリハビリテーション科,耳鼻咽喉科,小児科,口腔外科,形成外科などが活躍の場となっている。

次に多いのは老人保健施設や特別養護老人ホームなど,高齢者を対象とする施設である。障害者福祉センター,小児療育センター,通園施設などの福祉施設や通級指導教室,特別支援学校などの学校教育や保健所などにも配置されている(図1)。


言語聴覚士が勤務する病院,施設がわからないという声をよく聞くことがあるが,都道府県単位で組織されている言語聴覚士の職能団体(県士会)に問い合わせるか,日本言語聴覚士協会ホームページの病院・施設検索で確認することができる。

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