【質問者】
宮本敏浩 金沢大学医薬保健研究域医学系血液内科学 教授
【高齢者多発性骨髄腫の初発時はダラツムマブを含む併用療法が推奨レジメン】
DARAが初発多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)で承認される以前は,3剤併用療法としてBLD療法〔BTZ・LEN・デキサメタゾン(DEX)〕が推奨されてきました。LD療法(LEN・DEX)とランダム比較したSWOG0777試験では無増悪生存期間(PFS)延長効果を認めましたが,有害事象による脱落が多いことが課題でした1)。
DARAは,BTZと併用するD-MPB療法(DARA・メルファラン・プレドニゾロン・BTZ),DLD療法(DARA・LEN・DEX)が選択でき,それぞれMPB療法(メルファラン・プレドニゾロン・BTZ),LD療法とのランダム比較で有意に良好なPFSが得られました2)3)。D-MPB療法,DLD療法はともに高率に完全寛解(45%,48%)および微小残存病変(MRD)陰性(28%,29%)を達成し2)~4),日本血液学会のガイドライン(2018年補訂版)でも初発MMで推奨されています。DARAは,初期の感染症には注意を要しますが,忍容性にすぐれ,特に皮下注製剤が承認されたため5),使いやすい選択肢だと思います。
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