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HLA検査のNGS-SBT法の利点と活用方法,今後の課題は?

No.5093 (2021年12月04日発行) P.51

髙木伸介 (虎の門病院血液内科医長)

一戸辰夫 (広島大学原爆放射線医科学研究所 血液・腫瘍内科研究分野教授)

登録日: 2021-12-03

最終更新日: 2021-11-30

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  • 日本骨髄バンクのHLA確認検査などがNGS-SBT法に変わりました。これによりHLA情報がより正確に詳細にわかるようになりました。NGS-SBT法を臨床現場で活かすために利点と活用方法,今後の課題についてご教示下さい。
    広島大学・一戸辰夫先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    髙木伸介 虎の門病院血液内科医長


    【回答】

     【すべてのHLAアレルを同定可能であり,「見えないミスマッチ」がわかる】

    従来のHLAタイピング法では,HLA遺伝子の配列のうち,「コアエクソン」と呼ばれる多型性に富んだ領域だけの情報に基づいて,当該遺伝子のアレルを推定してきました。すなわち,タイピング結果は,コアエクソンの配列が一致している複数の候補アレルの中から,集団内で存在頻度が高いものが「代表名」として報告されています。NGS-SBT法は,このような弱点を改良するため,HLA分子のアミノ酸配列を決定するすべての遺伝子領域をシークエンスすることにより,アレルをほぼ1つに絞り込むことができる画期的なタイピング法です。

    たとえば,HLA-A遺伝子には,8個のエクソンがありますが,従来法では,そのうち2つか3つの配列情報に基づいてアレルを推定します。しかし,実際には,その他のエクソンにも多型が存在する場合や,一部の塩基配列の変異により,非発現アレルとなっている場合もあります(nullアレル)。たとえば,日本列島で最も多いHLA-A24:02と判定されるアレルには,非翻訳領域における多型のため細胞表面にほとんど発現しないA:24:01:01:02Lのようなアレルも含まれています。

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