●(「女性を対象に定期接種を進めるべき」と回答したのは)男性の陰茎がんなどの頻度が分からないから。(埼玉・内科医)
●予防できる術がわかっているのに(定期接種を)実施しないという選択肢はない。数少ない副作用の実例をメディアが取り上げ、恐怖をあおってしまったのが残念。再開が決定してよかったと思う。(大阪・精神神経科医)
●積極的勧奨の再開に至るまでに経過した時間が長すぎる。接種する機会は失われたと思う。男性もHPVワクチンで防げるリスクがあるので、接種自体は進めるべきだと思うが、日本の医療財源は限りがあり、女性をまず対象にして集団予防効果を高めるべき。財源は本当に必要なところにまず投入し、医療経済を回すべきだ。(大阪・内科医)
●若年女性は助成金を出してタダで(HPVワクチンを)打てるようにしておくべき。(東京・内科医)
●(HPVワクチンについて)中学校の保健体育の授業等できちんと啓蒙すべきだ。(京都・内科医)
●8年前に問題とされた副反応(の解明)について進展がなく、効果のみに着目してHPVワクチンの積極的勧奨を再開することには慎重さが必要。被害者団体などが主張する重篤な副反応の治療法開発への支援体制、再開後に同様の副反応が生じた場合などに対応する相談・治療体制の確立および一般への周知がしっかりできているとは思えない。また、ISRR(予防接種ストレス関連反応)含め被接種者への事前説明、さらには性交渉前の接種という性教育と直結するワクチンであるのにかかわらず、欧米先進国並みの学校での性教育が全く不備である状況への対応、非常に低い子宮頸癌検診受診率を長らく放置していた保健行政の見直しなど、同時に行うべき施策が全くなしでの一方的な再開に疑問を持つ(個別には過去8年間、希望する方への子宮頸癌ワクチン接種を行ってきたが)。(東京・内科医)
●行政府に対して科学的な根拠に基づいたわかりやすい説明をもっときちんと行うべきではないか。日本は行政府に対する信頼が極めて低く、そのためワクチンに対する一般の国民の信頼がない。きちんとした説明を時間をかけてわかりやすく行わないと今回のような事態を招いてしまう。(東京・臨床検査技師)
●HPVワクチンで副作用が問題になった時、推奨した国会議員は誰一人として責任を取らなかった。道義的責任はあるはずで、今でも許せない。ワクチンは政治家に任せるのではなく専門家の意見を最優先すべきだ。(神奈川・内科医)
●PMDAの「副作用救済給付の決定に関する情報」( https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0043.html )にサーバリックスとガーダシルの副作用給付決定情報が記載されているが、情報はほぼ非公開となっている。情報を公開した上で接種希望者に判断してもらいたい。(鹿児島・内科医)
●マスコミだけでなく一部の医師までもが「大人デビュー」だの「セックスデビュー」などとチャラチャラした文言を使っている。あまりに性をお手軽に扱ってはいないか? 中井祐一郎先生の言うように(日本医事新報2021年12月11日号62頁)、本人の「セクシャリテイに関する自己決定」に基づき接種を判断すべきだろう。それを小学6年生に求めるのは酷である。麻疹、風疹等と違い日常生活では決して感染しないことを認識し強調すべきだ。客観的に見てもHPVワクチンの副反応の出かた(頻度、重症度)には民族差があると思う。(東京・内科医)