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ダニアレルギーに対するアレルゲン免疫療法 【皮下と舌下の2つの方法があり,特にダニにのみ感作を認める患者に有効】

No.4821 (2016年09月17日発行) P.59

小林信之 (国立病院機構東京病院統括診療部部長)

登録日: 2016-09-21

最終更新日: 2016-10-19

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通年性のアレルゲンである家塵ダニを病因とするアレルギー性疾患に対して,アレルゲン免疫療法はその自然経過を修飾(根治または長期寛解)する可能性のある治療法である。アレルゲン免疫療法には,注射による皮下免疫療法(subcutaneous immunotherapy:SCIT)と舌下免疫療法(sublingual immunotherapy:SLIT)の2つの方法がある。2015年に,ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎および気管支喘息に対するSCIT薬剤として治療用ダニアレルゲンエキスが,さらにアレルギー性鼻炎に対するSLIT薬剤として,ミティキュアダニ舌下錠,アシテアダニ舌下錠が相次いで発売された。

SCITでは,アレルゲンに対する閾値の濃度を求め,初回投与濃度から順次増量し,維持量に達したら月1回の間隔で皮下注射を繰り返す。これに対してSLITでは,一定量の舌下錠を自宅で毎日服用すればよく,利便性およびアドヒアランスの向上が見込まれる。3~5年にわたりSCIT,SLITを施行した場合,治療終了後も年余にわたる効果持続が期待されるが,その一方では無効例も存在する。一般に,ほかのアレルゲンに感作がなく,ダニにのみ感作を認める患者では効果が高いとされる。なお,舌下錠を処方するには,アナフィラキシーなどの副作用の発現するリスクもあるため,2つの講習(eラーニング)の受講修了および緊急時対応可能な医療機関の登録が必要となる。

【参考】

▶ 日本アレルギー学会:ダニアレルギーにおけるアレルゲン免疫療法の手引き. メディカルレビュー社, 2015.

【解説】

小林信之 国立病院機構東京病院統括診療部部長

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