厚生労働省は3月31日、2022年度診療報酬改定の「疑義解釈資料(その1)」を地方厚生局などに事務連絡した。外来医療では新設の「電子的保健医療情報活用加算」について解説。オンライン資格確認等システムの導入済み医療機関では、初診時に患者がマイナンバーカードを持参しなかった場合などに「診療情報等の取得が困難な場合」の3点が算定できることを示した。
「電子的保健医療情報活用加算」は、オンライン資格確認等システムから取得した薬剤情報や特定健診情報などを診療に活用した場合の評価として新設。初診時は7点、再診時は4点を基本診療料に加算する。このうち初診は24年3月末までの時限的措置として、▶当該患者の診療情報等の取得が困難、▶他の医療機関から当該患者の診療情報の提供を受けた―のいずれかに該当する場合は、3点を算定することが認められている。
疑義解釈は、この「診療情報等の取得が困難な場合」の考え方について、当該加算は医療機関の体制整備を評価する報酬であるため、オンライン資格確認等システムの運用を開始している医療機関であれば、▶患者がマイナンバーカードを持参せず、診療情報の取得が困難な場合、▶マイナンバーカードが破損などで利用できない場合、▶マイナンバーカードの利用者証明用電子証明証が失効している場合―も該当するとみなして差し支えないとした。
オンライン診療では、オンラインによる初診の結果、医師の判断で対面診療に移行する場合の対応を説明。オンラインによる初診の同日中に患者に来院を求めて対面診療を行った場合、「初診料」を算定できるのは対面診療の分の288点のみであり、オンライン診療分(251点)の算定は認められないことを明確化した。また、オンラインによる再診時の「外来管理加算」の算定は、医師による丁寧な問診や詳細な身体診察(視診、聴診、打診、触診など)ができないことから、認められないことも示した。
一方、「機能強化加算」では、かかりつけ医機能を担う医療機関であることのホームページ等への掲示が新たに求められることになった。その具体例として疑義解釈は、▶医療機関ホームページへの掲載、▶自治体、地域医師会等のホームページまたは広報誌への掲載、▶医療機能情報提供制度等への掲載―などを挙げた。
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