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真珠腫性中耳炎[私の治療]

No.5117 (2022年05月21日発行) P.53

山本和央 (東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学教室講師)

登録日: 2022-05-31

最終更新日: 2022-05-17

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  • 角化扁平上皮が中耳腔に侵入し,角化物(debris)を蓄積しながら増大し,周囲の骨を破壊し進展する病態である。耳小骨の破壊により伝音難聴を生じる。さらに進行すると顔面神経麻痺や,内耳に炎症や骨破壊が生じると不可逆的な感音難聴をきたす。炎症が頭蓋内に波及すると髄膜炎,S状静脈洞血栓症,硬膜外膿瘍などの重篤な頭蓋内合併症を引き起こす危険性がある。先天性真珠腫と後天性真珠腫に分類される。

    ▶診断のポイント

    【症状】

    初期症状としては感染による耳痛,耳漏が出現し,耳小骨の破壊による聴力低下をきたす。顔面神経を圧迫し炎症が及ぶと顔面神経麻痺が出現し,内耳への炎症の波及や半規管が破壊されると,めまいや感音難聴を生じる。稀に頭蓋内に炎症が波及し,髄膜炎や脳膿瘍などの合併症を引き起こす。

    【所見】

    外来で拡大耳鏡,顕微鏡,内視鏡を用いて鼓膜所見を観察し,CT検査で耳小骨や周囲の骨破壊の有無を確認し,MRI検査で真珠腫の進展を評価する。鼓膜所見や画像検査で診断し,聴力検査で聴力低下の有無,難聴の程度を確認する。

    【専門医へのコンサルト】

    耳漏や難聴の症状を認める場合や真珠腫を疑った場合は,速やかに耳鼻咽喉科医よる診察,診断が必要である。

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