有害薬物反応の大半は薬理作用に基づく反応であるが,一部は薬理作用とは無関係な反応である。後者のうち不耐症や特異体質反応を除き,免疫アレルギー機序を介するのが薬物アレルギーである。
薬物アレルギーをまず疑うことが重要である。問診では,①薬物投与と症状発生との時間的関係,②薬物中止で改善したか,③薬物を再投与されたのであれば症状が再発したか,を聴取する。検査結果や過去の報告事例も参考にして診断する。
薬物アレルギーを診療する際には,薬物投与を契機に症状(即時型反応であるアナフィラキシー,あるいは熱,皮疹,重症薬疹など)が生じ治療を要する場面,過去の症状が薬物に起因したのか検査する場面,明瞭な薬物アレルギーの既往を持ち安全に使用できる薬物・避けるべき薬物を指導する場面などがある。
ここでは,最初に挙げた,薬物アレルギーで症状がある場面に限定して記載する。まず行うのは原因薬物中止である。症状を改善させるよう対症療法も行う。
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