厚生労働省は6月29日、2022年度診療報酬改定の「疑義解釈資料(その15)」を地方厚生局などに送付した。この中で、「外来感染対策向上加算」などの施設基準で求められるカンファレンスの参加について、考え方を整理した。
「外来感染対策向上加算」の施設基準では、届出診療所が「感染対策向上加算1」を届け出ている複数の医療機関と連携する場合について、連携先医療機関が開催するカンファレンスにそれぞれ少なくとも年1回、合わせて年2回以上参加することを求めている。このうち一部の医療機関のカンファレンスにやむをえない理由で参加できなかった場合について疑義解釈は、「加算1」届出医療機関または地域の医師会のカンファレンスに合わせて年2回以上参加していれば差し支えないと説明。その場合、翌年には、参加できなかった医療機関のカンファレンスに参加することが望ましいとした。
「感染対策向上加算」の施設基準にも院内感染対策カンファレンスに関する規定があり、感染制御チームには加算の区分に応じて、カンファレンスの開催や参加義務が課されている。これらカンファレンスの参加者について疑義解釈は、チームの構成員全員である必要はないが、各職種(たとえば加算1の場合は医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師)から最低1名ずつは参加するよう求めた。
「急性期一般入院基本料」などにおける該当患者割合の経過措置と、新型コロナウイルス感染症対応の特例との関係性も整理した。22年度改定では一般病棟用の「重症度、医療・看護必要度」の評価項目や該当患者割合の基準値の見直しを実施。経過措置終了後の10月以降も同じ入院料を継続算定するには、遅くとも7月1日から改定後の評価票による看護必要度の測定を開始し、改めて入院料の届出をする必要がある。
その際、実績評価期間にコロナ患者の受け入れなどで基準を満たせない期間が生じた場合は、コロナ特例を適用して、▶当該期間を実績計算の対象から除外する、▶除外した分と同じ期間分を遡及し、代用期間とする─ことが可能。このため特例適用医療機関では実績評価期間に改定前の22年3月以前の期間が含まれる可能性があるが、疑義解釈はその場合も看護必要度の評価は改定後の新しい評価票で行う必要があると明記した。