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先天性サイトメガロウイルス感染症(cCMV)の診断法と治療の最近の進歩について

No.5133 (2022年09月10日発行) P.51

永松 健 (東京大学医学部附属病院女性診療科・産科 准教授)

谷村憲司 (神戸大学医学部附属病院 総合周産期母子医療センター准教授)

登録日: 2022-09-08

最終更新日: 2022-09-06

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  • 先天性サイトメガロウイルス感染症(congenital cytomegalovirus infection:cCMV)の診断法と治療の進歩についてご教示下さい。神戸大学・谷村憲司先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    永松 健 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科 准教授


    【回答】

    【新生児の尿CMV核酸検査は既に保険適用があり,バルガンシクロビルが新生児治療薬として保険収載される予定である】

    治療法のない疾患を診断する意義は少ないという考え方が一般的だと思われます。cCMVについても,かつてはそのような疾患のひとつに位置づけられてきました。しかし,生後30日以内の症候性cCMV児に対するガンシクロビル(GCV)を用いた新生児治療〔GCV 12mg/kg/日 静脈注射(iv)×6週間〕が生後1歳時の聴力悪化を抑制できるというランダム化比較試験(RCT)の結果が2003年に報告されました1)

    その後,別のRCTでGCVを用いた新生児治療が難聴だけでなく,生後1歳時の精神運動発達の遅れをも改善することが報告されました2)。さらにGCVのプロドラッグで内服可能なバルガンシクロビル(VGCV)を用いた症候性cCMVに対する新生児治療〔VGCV 32mg/kg/日 経口投与(po)〕について6週間投与と6カ月間投与の効果を比較するRCTが行われ,1,2歳時の聴力と精神発達の予後が6カ月間投与群において6週間投与群より改善することが報告されました3)

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